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【日記】第28回日本サイコネフロロジー研究会メモ整理

 

2017年7月22日〜23日サイコネフロロジー研究会に参加してきました。
去年は東京で開催されて、PEKTのコーディネートについて発表しましたが、今回は講演を聴く立場での参加です。
すごく面白くてメモもたくさんとりました。
ちょっとメモ整理のためにダラダラ書きます。

文章整理出来ていません...

自分の覚え書きです...

 

7月22日
まずはランチョンセミナー
安田女子大学看護学部看護学科成人看護学准教授の水内恵子先生の「サイコネフロロジーと気づかい(careing)-今、看護を考える-」という講演を聴きました。

『「マニュアル化・パス化・誰でも同じケアを提供できる」ことも大切だけど、人によって気づかいの方法も違うし、大切に思っていることも違う。同じケアをしていても気づかいがあるかないかによって効果が違う。
指導などの内容も人によって変わってくる。
気づかいで人は癒やされ、生きる力を与えることができる。
薬などでは得られない効果がある。』

全くその通り・・・気づかいをするためには、自分の人間力が大事だし、自分が心身共に健康であることも大切だと改めて感じる。
最近自分の心身の健康・・・無視しているな・・・
自分の仕事に対するモチベーション維持のためには、同僚と看護観を語り合うことも重要とのこと。
信頼できる同僚とたくさん話がしたい!!
「ベナーの初心者から達人へ」も紹介されていて、ちょうど看護学生の時の看護理論の勉強のグループワークで勉強した内容。

『信頼や人間関係が構築されることで、患者さんに「病気と共に生きていくことも悪くはない」と思ってもらうこともできる。気にしてあげるのではなく、気になる。そして患者さんのことをどのように看ていくといいか・・・基本的ニードを満たすことができているか見直す視点が重要!ということで「ヘンダーソンの14のニード」「ナイチンゲールの看護覚え書き」の紹介』

看護学校の時に勉強していたけど、最近その基本的なところを忘れがちになっている。
患者さんは生きている、暮らしがあるということを前提に関わるには、やはり基本的なニードの見直しがいかに重要か・・・

最後に「看護師はミニドクターではない。Be nurse!!」という言葉が胸に突き刺さりました。

最近ミニドクター兼事務職的な業務に「このままでいいのか」疑問に感じていた。
改めて自分は看護師であることを大切にしていきたいと思った。

シンポジウムでは
CKD教育入院
代替療法選択Ns
価値観を大切にした段階的な情報提供の必要性
認知症や高齢者の維持透析問題(老いてこそできる治療の選択、AssistedPD)
が取り上げられていた。

あと教育講演の「傾聴から始まる看護」ということでJCHO千葉病院透析看護認定看護師の田代紀子さんの講演もすごかった。

人はいろんな側面がある。
代わりに病むことはできないけど、その人の病み方を知って、病気をどう考えるか・・・
それぞれの人に応えられる尊重した看護を・・・
誰がみてもわかる形での看護の「創造」が必要
思考と実践のプロセスを見える化するくせをつける
メラビアンの法則(視覚55%、聴覚38%、話す内容7%)を理解し、短い時間であっても患者さんがしっかり話を聴いてもらえたという想いを残していもらうことが大切。

高齢者に必要なケアで札幌西円山病院の浦信行先生からは
「高齢者のHTとDM管理の目標値が違う」という話があった。
高齢者に合わせた管理目標を考える視点が抜けていたと思い、これからはその視点を自己管理指導でも生かしていくことができればと思った。
またGFR低下が進むと、筋力低下や認知機能悪化にもつながるとのこと。

あとこの研究会で一番楽しみにしていた臨床心理士の小林清香先生の講演。
「主体的なセルフケアを支える〜心理教育のエッセンス」
病気と共に生きるということは、喪失し続けて生きているということ。
身体・お金・時間・社会関係に負荷がかかり、未来像・自己像が創造できない状況に陥っている。
こんなはずじゃなかったと何も希望を持てない、病気を受容できない人が主体的に生活を営めるようにする。

医療者の疾病管理の責任vs患者の責務・重積

指導的な立場で、医療者側の求めるセルフケアができることを目的に「○○しなければならない」のではなく、価値観を大切に主体的な思考で、自分の社会的立場、大切なことをするためのセルフケアとして「○○のためにしよう」という考え方ができるように、価値を認め、苦労をねぎらい、努力を支える、本人の価値にあった目標支援が重要。
サイコ(人の心を理解する力)・エデュケーション(教育・育成)
指導をし続けるよりも、俯瞰してその人の生活を考える。
どのように生きてきた人が何を大切に生きていくか。
例えば「○○食べるのをやめましょう」ではなく、なぜそのような行動につながるのか前後関係を整理して、他に代わりでできる行動はないか一緒に考えて、それを試してみたら結果を教えてもらう。試すことが難しかったらそれもちゃんと教えてもらう。
失敗しても大丈夫ということを保証する。
価値・生きがいを見いだし、ダメではなく、生活の流れでできることを考える。
セルフケア良好は当たり前ではない。
誰にとっても難しい、個人の性格や病気のせいではない。
透析にならないことをゴールにするのではなく、ある程度先の見通しができて、例え透析になってしまっても、対応できるような感じで関わることが重要。
自己肯定感を持てるように関わる。

医療スタッフのためのメンタルヘルスでは東京女子医科大学西村勝治先生が講演していた。
レジリエンス(外力による歪みをはねかえす力、精神的回復力、逆境を克服し、その経験によって強化・変容される適応力)をいかに鍛えるかが重要で、レジリエンスは学習して発達させることができるとのこと。

7月23日
ミシュラン2つ星を獲得するための患者と家族との関係で石神井公園じんクリニック院長 前田国見先生の講演も非常に興味深かった。
「感性を高める人との出会いを持つこと」
知的能力(EQ)を高めることについて話していて
寄り添う、気配り、信じる、素直、融通性、サポート力、善意、ラポール形成・強い気持ちで仕事と向き合うなど・・・
よい返事はいらない、指導もいらない、スタッフの価値判断はいらない、まずはこのスタッフとなら話ができると思ってもらうことが必要。
そうすることで協力的な治療関係が形成されていく。
スタッフの指導だけでは患者の心理や行動は変わらない。
指導によって患者を変えようと思わない方がいい。
難しい課題であることを念頭に、アイデアを聞いたり、具体的に小さな変化を重視して、共有する。
結果をすぐに期待しない。
心をつかもうと思う必要はない、患者さんによりそって、できることをやっていることで自然と心がつかめる。

ランチョンセミナーの久留米大学医学部の深水先生の「透析患者のQOL向上を目指して〜カルニチン補充療法の可能性〜」もすごかった。
AGE制限をすることで加齢を抑えることができる。
糖化現象をいかに少なくするか・・・
パンを焼くときの焦げ目も糖化現象・・・AGEが上昇する。
調理方法でも変わってくる。
焼くより蒸したりゆでたりする方がAGE発生を押さえられる。
カルニチンを投与したらAGE蓄積も押さえられて、加齢を抑えられるし、認知機能低下も抑えられる。
このこともっと調べてみたいと思った。